DX(デジタルトランスフォーメーション)にのぞむ企業のしくじりポイント


昨今世の中で声高に叫ばれるDX、コロナでリモート化も強いられ世の中がだいぶ進んだ感はあるが、こと日本の企業にいたってはまだまだ進んでいない所も多く。
団塊の世代の役員でそろそろみんな出社できるなと肩をぐるんぐるん回しているおじさんが多く、どよーんとなっている方も多いことだろう。

世の中に言葉あふれると、自称敏感な経営者達は飲み屋でゴルフ場でビジネス交流会で聞きつけた言葉に興味を持ち始める。
こういうところで情報収集している時点で、もうどうかと思うが・・・。おおかた知ってるふりして切り抜けた後は、会社で翌日自分の会社のIT担当や外注を呼びつけて「あれっとどうなの?」的な質問をぶつけてくる。
あ、ヒアリングとか現状把握とかいろいろ言うけど。
そんなところに呼び出されて話を聞いていると、まず最初の考え方が間違ってると思う事が多いのだが、代理店など入ってるとなかなかズバズバと言えない事もあり、だれが見るわけではないおだが思いつきで書いてみる。
これはたまたまDXだけど、他にも当てはまるよね。

今のこじらせた仕組みをDX化しようとする

DXは、デジタル化ではなく業務改革であり、業務効率化だ。そのツールとしてAIやクラウドなどの今までなかったツールを使う事でやりましょう。と言うことなのに、お客様は神様スタイルが染みついてとにかくこちらの仕組みはこうだからと言う。
外部に話を聞いてもらうのは長年やりつづけてこんがらがった糸をほどいてもらうためだ。ざっと説明すると、説明していている本人もおかしいと気付く人がいる。「あれ、これってこうしたらいいんじゃね?」にコンサルにたくさん予算をつけるわけである。
変えましょうと言うと、なかなか部署間の調節が大変とか、他の部署の部長がだれがそんな事言ってるんだとか、言い出して進まない。それはDXの問題じゃなくてワークフローの問題ですと何度もいいそうになった。
正直その若手社員もわかっていて、恥ずかしそうにしている姿も何度も経験している。
業務のワークフローを見直す気も無いのにトヨタの「カイゼン」を朝礼で話しても意味ないですよ、変わらなきゃいけないのは役員で社員じゃない。

 

 

 

会社の事は俺が一番よくわかっていると思っている

ワンマン社長や役員と下の風邪通しがない会社に多いが、ヒアリングしていると上と下のいうことが全然違うことがある。
ところが、現場の意見をくみ上げて提案を組み立てても「そんなものは必要ない」とか、「無駄だ」「それよりも重要なのはこちら」と一蹴される事がある。
これは、すでに現場を退いている役員や社長がまだ会社ことは俺が一番わかっていると慢心している。時代もそして取引先の時代も変わっているのにである。
自分の子供くらいの世代が社員も取引先もやりとりしているのに、なぜ何も変わっていないと思うのか不思議でしょうがない。
飲み屋のお姉さんにいくら聞いても世代が離れた感覚はわからないですよ、お金払っているからあなたに合わせてくれてるんですよ。

代理店やコンサルの話をありがたく聞くのに社員の話は聞かない

これもよくありますね。こちらの提案や、代理店の提案に得心して「いやー、素晴らしい、さすが」みたいな事を言ってもらった後に細かい詰めで社員さんと話をしているとついつい「何年も前から稟議あげてたんですけどねー」という愚痴が。
たまたまこれは1つ聞きましたが、この会社こういう事は指折り数えて済まないくらいあるんだろうなーと簡単に想像できます。
そういう場合、こちらも一歩構えたり見積もりの少し余分なバッファーを設けたりします。
十中八九こういう人は、言う事がころころ変わるんです。
よくある事例は、たまたま他の交流会で大手IT会社の役員と懇意になり、いろいろ勉強になる話を聞かせてもらったなんて話をしだしたら黄色信号点滅です。
この前の提案された、あの部分の事を相談したらそれは一考すべきだと言われた。あれを提案した根拠を教えて欲しい。なんて言われたら「なるほど、そうだったんですね」なんていいながら、心は折れかけます。
説明してもわからんだろうし、そもそも君の会社の現場からあがってきた要望だよと言いたくなる。しかもパーティーの立ち話で無責任は言いっぱなしと社員と一生懸命練った内容をなぜ同列に考える?しかもなんで相談する?
また相談相手も肩書きはすごいが、もうすっかり現役を退いてそもそも現役だったのはクラウドすらなかった時代の人だったりする。
そういう人に限って無責任な事を言う。

まあ、単なる愚痴になってるが

 

このやり方を変えると負担が大きい

ええもちろんそうです。
やり方を変えるのは負担がかかります。もちろん楽なのは今まで通りやる事です。違う事をするわけですから、変えた当初は戸惑いやトラブル、思っていた通りに行かない事はたくさんあります。
「そういう事をなるべくなくしたいと」いう、とんちみたいな事を言われます。
代理店さんは、のらりくらりと説明しますが、本当はそんな事できるわけないです。
「つまり負担のない改革はあり得ません」
だからトップからやらないとダメなんです。中間管理職が口挟んでぐだぐだになるカイゼンをたくさん見て来ました。
ネットがなかった時が想像できないように、その前はファックスがなかった事が想像できないように、変えるときには新しい事を覚えないとダメなんです。ワークフローを変えて、慣れないとダメなんです。今までのほうがいいという判断に、曇りメガネはかかっていませんか?
マックのDTPが出始めた頃、やはりアナログ入稿に限ると言っていた人たちを沢山見ました。今アナログ入稿は、テクニックとして残っていますがあくまで趣味趣向の世界です。カメラも同じく。
もちろん、全てのカイゼンが正解ではありません。ただ、日々カイゼンする姿勢があるところとないところで数年後は、もうどうしようもないくらい差が付くんです。

 


まずは社長や役員の方々、自分の会社の社員とシステムを見直してみては?
そして平成生まれのデジタルネイティブの意見をじっくり先入観なしに聞いて見てはどうでしょう?