渋谷区の小中学生向けパソコン、「ARROWS Tab」が1台27万8000円が高いと言ってるがそんな事ないんじゃない?

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渋谷区は平成29年9月より1人1台のタブレット端末を貸与し、ICT教育を推進してということで導入モデルが公式に発表され、それに対しPCユーザーなど特に秋葉にパソコンを買いに行ってるような人たちから高い!ぼったくりなどと言われている件について思うところ書いてみた。

www.city.shibuya.tokyo.jp

さて、このパソコンスペックはこんな感じ

10.1インチ液晶
Intel Atom Z8550
4GBメモリ
64GB SSD

小売価格は103,400円~、パソコン組んでいるような人たちはCPUなどのスペックを見てACERなどなら2〜3万のタブレットPCと大差ないものを、また税金の無駄使いで27万8000円で売りつけられていると騒いでいる。

 

www.fujitsu-webmart.com

 

渋谷区が投じた予算は総額は24億7200万円。
一台あたりの価格のイメージだけが一人歩きしているようで、これが特に私が高いと思わない理由を見て行こう。

 

  1. 3年リースの中身。まず、リースであり故障などの場合は、おそらく代替機が提供される形になる保障。ネット環境が不要なセルラー回線(LTE)付きで、フルクラウドにデータを保存できる環境の3年利用料も含む。回線の上限利用料もなし。
  2. フルクラウドでセキュリティ、ウイルス対策。フィリタリングも、各端末設定不要。
  3. MS Officeインストール済み
  4. オンライン学習教材アプリも提供(フルクラウド
  5. 電話でのサポート

 

 

 

本当に高い?

これだけの、内容を見てはたして高額と言えるだろうか?
なにより、この1、2、5で提供されている先生達が内もパソコンを設定したり管理する必要がなく富士通が全部やってくれる代が入っているわけである。

端末を配布して電源をオンにすれば、セットアップもネットワーク設定も必要ない。
学校へのネットワークやシステム導入で、最も問題となるのはその管理と運用である。
このまるなげシステムこそが、その運用のミソである。
パソコンを自分で組むような人たちはこういうだろう。
ネット引いて、Wi-Fiルーター入れて、2〜3万のACERでも買ってきてセットアップすれば1/3くらいの予算でできるじゃん!と。
そこには、全ての教室のwifi構築、何百台もの端末のセットアップ、サポート、代替機、日々の質問などの対応などの思慮が欠けている。
コストはかかるが、最初からLTE付きのほうが、はるかに管理は楽だ。単体で稼働するから。
全てデータはクラウドにあるので、代替機になってもバックアップもその機器も入れ替えも必要ない。
フルクラウド領域も、CDNを使うにしても、それだけの台数に対応する容量を確保する予算、もちろん自動バックアップも込みである。

自分でやる?先生がやるの?やってくれる?

仮に高いと言ってる人たちに、それだけのセットアップとサポートをいくらでやるか?と言われたら、どのくらいの予算でやるのだろう。
私はすくなくとも、それなりにもらわないとやる気はない。チョー大変だと思う。

 

私個人的には富士通は、この価格は戦略的に安く設定していると思う。
渋谷区だけでなく、他の自治体やいろいろな地方でも同じシステムを再利用し増えて来た時はじめてある程度利益が出るくらいの価格設定であると思う。

最近、物やサービスの価格に高いといちゃもんを付ける人もいるが、人件費や工数を入れずに言う人が多い。
だれがやるにしても、それだけの工数がかかるものには、それだけのコストがかかります。
このLTEとフルクラウドは、各校にネットワークと端末管理の担当を年収600万でやとったと思えば高いと言えないと思います。人は、採用にも手間がかかり管理にも手間がかかり、福利厚生も退職金も残業手当もいるのです。