光免疫治療の治験結果が公表されだしました
以前にもとりあげた、癌治療のネクストフェーズである近赤外光を使用してがん細胞を死滅させる光免疫療法。
治験が進んできた結果が、発表されてきています。
この治療法は米国国立がん研究所(NCI)の小林久隆主任研究員が中心となって開発。
楽天メディカルが事業投資し、実用化を目指し臨床試験が始まりました。
発表されたデータでは、約30人のフェーズ2aの頭頸部(けいぶ)がんの患者に治験を行い、4人はがんが消え、9人は縮小したとの事。ただ、治療による重篤な有害事象も3人に確認されている。
これまで抗がん剤などの効果で、縮小や食い止めるなどの結果から少ないとはいえ完全に消えた報告は癌患者へ希望をもたらします。
臨床試験はフェーズⅢで次の段階へ
今、ヨーロッパ、アメリカ、日本などで同時に治験がはじまっています。
日本でも新薬や新たな治療法を短期間で審査するための「先駆け審査指定制度」の対象に指定され、まずは先の結果をあげた頭頸部(けいぶ)がんの治療法での承認を目指す。
これから、重篤な有害事象の原因や把握。他の免疫療法との相乗効果、近赤外線の幹部への治療の精度の向上などが進んでいきます。
すでのマウス実験でチェックポイント阻害剤との組み合わせで効果が向上する報告もあがっているそうです。
現在医療の否定的な人は、重篤な副作用の危険性を訴えるでしょう。でも患者にとってみれば、寛解の望みがある「がんが消えた」という報告の魅力は何者にも変えがたいでしょう。
そして治療コストが重要
光免疫治療がこれだファーカスされるには、やはりそのコストが大きいでしょう。
患者に投与する近赤外光を吸収して化学反応する特殊な色素を組み合わせた治療薬(抗体薬物複合体)も安価に製造することが可能で、近赤外線の照射も今までの機械と同じもので大丈夫です。
内視鏡へ仕込んだ光ファイバーでも照射でき、かなりターゲットを絞った照射が可能です。腎臓や内容の奥や、繊細な臓器を裏側などの手術しにくい場所でも治療できる可能性を残している。
多くの患者に届けるために、このコストの問題は大きいです。
最新の放射線治療のように数億円もする高価な機械でないとできなかったり、治療薬が保険適用してもさらに高価では多くの人が使うには難しいでしょう。
いろいろな治療がゲノム解析から、新しい扉を開くのをこの目で見たいものです。