ヤシノミ洗剤でエコとか地球にやさしいというのはウソだよね?

f:id:jinkosky2009:20190926233101j:plain


自称エコロジストやナチュラリスト達が、こぞって使うヤシノミ洗剤。川や海の汚染の一つの要因として家庭の洗剤が問題視されていた際に、石油原料でなく植物性洗剤で洗浄力もあるパーム油を使った洗剤が80年代から注目されはじめました。
オーガニックやデトックスなどしている環境に意識高い系の主婦達もこぞって、このヤシノミ洗剤を使いはじめます。石油原料のほうがコストが安いが、排水後の汚染の原因物質を残さないという点で今でも使い続けている人が多いでしょう。

1つめの意図的フェイク

まず、この手のヤシノミ洗剤のロゴやラベルに使われるイラスト、だいたいこういうイラストで南国、ハワイなどにある椰子の実(ココナッツ)がついたパームツリーが使われている。もうハワイ感満載です。

f:id:jinkosky2009:20190926233137j:plain



おのずとユーザーは、原料となるパーム油は椰子の実やパームツリーを思い浮かべています。
ところが、この原料となるパーム油は主にアブラヤシという椰子の種類から精製されています。

f:id:jinkosky2009:20190926233202j:plain

f:id:jinkosky2009:20190926233226j:plain

写真を見ると、パームツリーよりもかなりワイルドで実は毒々しいものだとわかります。海沿いのビーチとかではなく熱帯雨林のジャングルに主に生育し、かなり早い速度で実を実らせます。商業化には、効率のいい植物です。
もちろんパームツリーの椰子油からも作る事ができますが、そんなものであれだけ大量の洗剤を作ればハワイからパームツリーがなくなってしまいます。
巨大なプランテーション(大農園)がないと、世界の消費に耐える量のパーム油は作れません。
このイラストは単なるさわやかなイメージだけを想起させるために使われています。はたして、意識高い系の主婦達はこの毒々しい実の写真でもヤシノミ洗剤を買うのでしょうか?

 

 

 

大規模プランテーションにより森林破壊

食品にも使われるパーム油の需要は世界的に増えています。今までジャングルでしかなかった土地で効率のいい換金作物を育てられるなら、途上国の農民はもちろん飛びつきます。
これに伴い、アブラヤシの主な生産地であるマレーシアとインドネシアではジャングルをどんどん焼いて大農園を作ってしまいます。つまり結局のところ、環境破壊を抑えるために使い続けたヤシノミ洗剤でどんどんジャングルが破壊されていきます。
ジャングルを生息地とした、ゾウ、オランウータン、トラなどの減少がはっきりと報告されています。

style.nikkei.com

natgeo.nikkeibp.co.jp

2019年未曾有のアマゾン森林火災の原因の一つ

このジャングルの大規模プランテーション化は、ブラジルのアマゾンでも行われています。2019年未曾有のアマゾン森林火災は、この焼き畑がひとつの原因となっています。地球の肺と言われているCO2を酸素に変えるアマゾンのジャングルは、大豆やアブラヤシの畑にするために減り続けています。もちろん、そこに住む動植物達も追いやられます。

www.bbc.com


先進国から非難の声があがっていますが、自分達がとっとと工業化を終え豊になってから、CO2のために森林を途上国に守れというのは、途上国側からは納得のいかない理屈でしょう。

ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は、経済活動のためにこれを黙認しG7で他国から指摘されても逆ギレしています。

www.bbc.com


世界の市場で求められているパーム油を求め続けているのも、その先進国の市場なのです。もちろんそれはエコのためにです。