保険の勧誘で言われる「癌になる確率2人に1人」の数字のトリミング
数字を都合良くトリミングすることで、意味を強調したり変えたりすることができます。保険の相談窓口や癌保険のページも出ている、恐ろしい言葉。
癌になる確率2人に1人
この言葉に違和感を覚える人もいるのではないでしょうか?確かに少なくはないけど、2人に1人もなってるの?と。
では、公式なデータを見てみましょう。国立がんセンターは、罹患率(がんと診断された率)と死亡率なども、統計データをだしています。
これを見ると確かに
部位 | 生涯がん罹患リスク(%) | 何人に1人か | ||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
全がん | 62% | 47% | 2人 | 2人 |
と出ています。
なので、全体の数字としては間違いではないのでしょう。
そして、癌により死亡した率。
部位 | 生涯がん死亡リスク(%) | 何人に1人か | ||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
全がん | 25% | 16% | 4人 | 6人 |
という、シリアスが数字も出ています。
年代別に数字を見ないとおかしくなる。
では、その癌になる年を年代別にみてみよう。
こちらからデータをダウンロードしてみます。
がんに関する統計データのダウンロード:[国立がん研究センター がん登録・統計]
グラフにしたのがこちら
60を超えてからの圧倒的な数字が見て取れます。
これを50才までと、以後でわけてみます。
50才まで:8%
50才以後:92%
となります。
つまり、50才前と後の数字を一緒に考える事自体が無茶なわけです。
ましてや癌は免疫力・体力と大きく関係しますので、70以降は老衰の一部という考え方もあります。
リスクを正しく認識する
もちろん若くして癌になれば進行が早いが、体力と免疫力があるぶん10人に1人以下なわけです。
おそらく癌保険に入る事も大事ですが、適度の運動、禁煙、ストレスの軽減など生活で気をつける事で出来る事で、検査を定期的にいけばいいかもしれません。
特に筋力は若いときしかなかなか付けるのは難しかったりします。
生活レベルでストレスをかかえるほど、保険額を負担するのは本末転倒です。
入らなくても大丈夫とは言いませんが、40才までの考え方と50以降の考え方を変える方が自然です。
何よりストレスが一番やっかいなんです。
50代からの考え方
逆にぴんぴんころりと行きたい人は、50才からの考え方をきちんとしないとダメなわけです。
検査をきちんと行く事と、自分が病気になった時に周りに迷惑をかけないように保険に入っておくこと。
そういう準備をしていく時だと言うことです。
もちろん子供がいる人は、一番生活コストがかかる時ですから自分の事は・・・と言うかもしれませんが、逆にそんな時に自分が病気になったらと考えてください。