ブラックジャックによろしくから情報をアップデートしてください

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ブラックジャックによろしく・がん医療編

現在の抗がん剤否定論者の中に、この影響を受けてる人が多いのが見て取れます。
【がん医療編 5〜8巻】において、膵臓がん患者の抗がん剤治療がとりあげられている。

医師が未承認薬をすすめるが、副作用に苦しむが癌の根治には結びつかない抗がん剤への処方の是非で葛藤する若い医師が中心となるストーリーである。
もちろんストーリーとしては創作だが、薬の名前などは当時のものが実際に使われ、抗がん剤TS-1が題材として使われています。もちろん、当時の状況について多少の演出はありますが全て間違いだとは思いません。

とくに、年配の患者に未承認の抗がん剤をすすめて月に数百万の負担をさせるストーリーは心を締め付けられます。
このヒット漫画の影響は小さくなく、抗がん剤否定派に組みする今でも1つの起因の多くになっていると思います。反対論者もよくあげていたり、これに基づいた主張も多く見られます。

漫画による絵とストーリーの組み合わせからのイメージは強力で、医療業界や製薬業界に悪のイメージを持ち現代医療を否定する方向へと行く人を増やしたのでは?と思います。

たしかに当時の医療に関する重要な問題定義としては一つの役割を果たしたと思います。逆に代替治療やサプリ、自然食品たちにも利用され必要以上に現代医療へのアレルギーを持ってしまった人も増やしたのでは?と思います。

 

 

 

この漫画はもう15年前の話

現在においても、この情報をアップデートしていない方が散見します。

まず前提として、癌とひとくくりに呼ぶのがどうかと思うくらい、大腸癌や胃癌、血液系の癌では全然違う病気なくらい違います。しかもこの話題に取り上げられた膵臓がんは、その中でも早期発見が難しく治療の難易度も高い一つです。
膵臓がんは発見された時点でステージが進んでいる場合が多く、他の腫瘍でもステージが進んで遠隔転移が始まっていれば元々根治は難しくなります。

しかし他にもいろいろな記事で書いていますが、癌治療はここ数年でゲノム解析がはじまってから以前の数十年の何倍ものスピードで進化しています。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などは、今までの薬と根本的にアプローチの違う薬です。

jinkosky.hatenablog.jp

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この漫画が書かれた2003年、15年前といえば、まだスマホは無くやっと写真が送れるガラゲーが中心の年です。そして六本木ヒルズがオープンし、郵政民営化が行われた年です。

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携帯で写真が撮れて送れる事に何の意味があるの?と話題になりました。
どれだけ前かを感じるでしょうか?
この時代の話を元に現在の医療を否定するのは、ガラゲーの知識でスマホを語るようなものです。たぶん、話が通じないでしょう。

コンピューターの高速化とネットワークの整備

一見スマホと医療の話は関係ないように思いますが、大いに関係があります。ゲノム解析そのものは2000年前後からはじまっていましたが、その後のコンピューターの進化が開発スピードに多く関係しています。
現在みなさんが使っているPCやプレイステーションのCPUは20年前ならスーパーコンピュータレベルの処理能力といっても過言ではありません。つまり、莫大な予算でなくても処理能力の高いPCを手に入れる事が可能になり膨大なデータを処理しシュミレーションする研究をより多くの研究者が可能になったのです。

ゲノム解析とネットのエコシステム

エコシステムとは省エネではなく、生態系の意味で生態系の枝葉のようにシステムは進化していく事です。
PCの進化とともにネットワークの発達による通信環境も開発の進化を加速させます。
ラボでしか置けないような検査機械や環境を時間単位で使えるようにして開発システムを構築する事が可能になります。
ゲノム解析をしたい部分を送り、その解析データをネットで返してもらいシュミレーションし薬を開発する高価な機器を持たない開発を可能にしました。

 

もう少し現代医療を信じてみたら

現代医療をすべて正しいとも思わないし、間違った過去もあります。しかし薬害の問題などを描くときに、ドラマ・漫画・ニュースなどでも一様に大病院、製薬会社は悪という単純なシナリオに影響を受けすぎていないでしょうか?

もう少し信じてみてもいいのではないでしょうか?エイズや、C型肝炎に関しても新しい薬で対抗策が出来ています。

IPS細胞で今までできなかった治療ができるかもしれません。

今あなたは、Windows98の機能を頭に思い浮かべながら「しょせんPCなんてさー」なんて、スマホを持った若者に言ってるのかもしれません。