アストラゼネカ日本法人、世界初のPARP阻害剤‐再発卵巣癌治療薬「オラパリブ」発売

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アストラゼネカ日本法人が世界初のPARP阻害剤である「リムパーザ錠100mg、同150mg」(一般名:オラパリブ)を発売した。
PARPは、DNA損傷に伴い活性化され、核タンパク質にADP-リボース残基を付加重合する翻訳後修飾反応を行います。PARP-1およびPARP-2は、DNA修復、細胞死および分化制御に関与していると報告されています。
がん抑制遺伝子の一種であるBRCA(breast cancer susceptibility gene)変異細胞にPARP阻害剤が作用した場合、DAN修復機能が作用しないため、細胞死が誘導されると考えられています。
オラパリブは、国内初のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤で、DNAの相同組み換え修復機構が機能していない癌細胞に対し、特異的に細胞死を誘導する作用機序を持つ。

オラパリブ錠は現在乳がん前立腺がん、膵臓がんを含む一連のがん種において併用治療において検討されています。
現在国内では再発卵巣癌治療薬の適用で発売されています。

再発卵巣がんは根治が困難なことから、延命やQOL の改善を目的とした治療が行われますが、リムパーザはがん細胞に特異的にはたらく分子標的薬であるため、良好な安全性プロファイルを保ちながら、病勢進行や死亡のリスクを下げることが期待されます。また、経口剤のため、注射による疼痛や点滴のために必要な時間的拘束といった患者さんの負担を回避しながら治療することも可能です。

 

 

 

個別化医療(パーソナライズド・メディシン)

オラパリブはがん個別化治療の流れで生まれたもので、近年の急速なゲノムシークエンス技術の進化でがん組織のゲノムDNAを調べ、遺伝子変位などから、その人の遺伝子特性にあった治療薬を提供するべく考えられたものです。
これからは、がんの遺伝子検査を行い遺伝子のプロファイリングをすることで抗がん剤治療の効果を投与する前に判断し確立やQOLを改善するのが重要と考えられています。
たとえば腸の形ひとつとっても指紋や目とおなじように個人認証に使えるくらい1人1人形が違うようです。
当然遺伝子、DNAも1人1人違います。
近年始まったゲノム解析はそのメカニズムを徐々にあけはじめ、一昔前にやってみないとわからない抗がん剤から、確実に癌を詰め将棋のように戦っていく抗がん剤が増えつつあります。
もちろんステージが大きくなるにつれ、完治はまだ難しいですが、進んでいることを実感させます。