夢の癌治療法、光免疫療法は進むのか?!

アメリ国立衛生研究所(NIH)の主任研究員である小林久隆先生が現在の癌治療の方法とは根本的にアプローチに違う「光免疫療法」を開発したというニュースが今年はじめに駆け巡りました。

これは「近赤外線」というTVのリモコンや赤外線通信などに用いられている無害な光線ががん細胞だけを極めて『選択的』に攻撃し、破壊する治療法で理論的には副作用もなく8〜9割の癌に適用でき、夢のような治療法です。
アメリカのベンチャー企業「アスピリアン・セラピューテクス Aspyrian Therapeutics,Inc.」が実用化を図り、楽天三木谷浩史社長が筆頭株主で取締役会長に
就任しています。そして3月には日本支社を設立。
順調にいけば、来年には日本でも治験がはじまるかもしれないと言われています。

 

 

 

しかも、この治療法入院も必要なく

転移や再発の癌にも有効で、今までステージ4の生存率は5%〜20%と言われていましたが、寛解の可能性が出てくるという夢のような話です。

またまた、日本の医師がアメリカで、というジレンマがありますがとにかく治験が始まったということは治療法が眉唾でない事なので期待が持てます。

 

しかも、この近赤外線治療は既存のレーザー技術を応用するのでハードウェアのコストも安く、薬剤なども使わないため維持費も安いため今までの癌治療に比べて安価に運用できるだろうという話です。

日本で承認されれば、国民皆保険や高額療養制度もあるので一回数万円にできて癌治療が飛躍的にコストダウンできるかもしれません。

 

こうしたゲノム解析や新技術の開発がここ数年はすさまじく、うちは間に合わなかったのが悔やまれます。

 

ただ免疫が抗原に関しては、まだまだ人の陣地が及ばない分野です。

そこでこういった課題も突きつけられているようです。

光免疫療法への疑問1 万能ながん抗原はあるのか?

http://gansider.info/2017/04/05/%E5%85%89%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%96%91%E5%95%8F1%E3%80%80%E4%B8%87%E8%83%BD%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%8A%97%E5%8E%9F%E3%81%AF%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B/

 

光免疫療法への疑問2 T細胞の働きはがん免疫の一

http://gansider.info/2017/04/06/%E5%85%89%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%96%91%E5%95%8F2%E3%80%80t%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E3%81%AF%E3%81%8C%E3%82%93%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%81%AE%E4%B8%80/

 

光免疫療法への疑問3 効き過ぎるとかえって危険

http://gansider.info/2017/04/21/%E5%85%89%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%96%91%E5%95%8F3%E3%80%80%E5%8A%B9%E3%81%8D%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%8B%E3%81%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%8D%B1%E9%99%BA/

 

それを踏まえても、未来が期待できる話です。

一人でも癌治療で悩める人たちが寛解しますように。

そういった治療が確立されるように祈ります。

日本人医師がアメリカで研究をしなければいけないジレンマ

アメリカでは医療におけるファンド、投資が確立され少しでも見通しのある研究だとかなりのスピード感で投資があつまるようです。

エンジェルと言われる投資家がIT分野からゲノム分野に主戦場を変えるのは当然のように思います。あのYahooですら10年もたなかったのに、新薬を開発すれば国際的に20年近く権利と売上げが確約されるわけです。

研究で成果をあげそうな医師は世界中からアメリカに集まります。そこに、投資があつまり研究にアクセルを踏みます。もちろん研究者は自分の研究を潤沢な予算ですすめたいので、それに呼応します。

たとえばC型肝炎が投薬だけで3ヶ月で95〜100%完治する画期的新薬「ソバルディ」と「ハーボニー」がたった1錠で4万〜5万するのは、そういう理由です。

アメリカで新薬が進むのは、こういった側面も否めません。
別にアメリカ人が優秀というわけでなく、世界中の研究者を集める場所と金が集まるのです。

特筆すべきは、IPS細胞の山中先生はアメリカにいけば、ものすごい額の投資があつまるのに、あえて日本に残り研究する選択肢を選んでいるということです。
アメリカにも一部席を置いてるところもあるようですが、ベースは京都のIPS細胞研究所に置かれています。

山中先生がIPS細胞研究の寄付集めに、いろいろなパーティーに時間を取られていることは日本の国益の損失だというのに。

日本の寄付をする団体や企業は、寄付をするのだから、かの有名な山中先生にうちのパーティーで一言頂きたいなどど了見の狭い事で地球の宝である頭脳の時間を奪うのです。

これに憂いを感じる方は是非、少額でもIPS細胞研究基金にご寄付ください。

ご支援のお願い | iPS細胞研究基金 | 京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)

私の微力ながら協力しています。

是非みなさんも、力添えしてください。
ゲノム解析が始まったこの数年で、前の50年の数倍の速度で医療は進化しています。もちろん、進めばいろいろな問題が出てくる事もあるでしょう。悪徳医師もたまにはいるかもしれません。

ですが、ナチュラルハラスメントするような人は忘れているのかもしれませんが、ほんの100年前まで子供はかなりの確立で生きれなかったし、寿命は60才くらいだったのです。1918年からですから、100年近く前にスペイン風邪で世界で2000万人以上が亡くなったと言われています。

これは今で言えばインフルエンザです。今では会社休まないと〜、まずいな〜くらいの感じですね。

そういう恩恵を当然のように受けておいて、やれ薬がダメだ、厚生労働省の陰謀だと言うのは考えものですよね。現代医療をおおむね、注意を怠らずに信用しましょうよ。

 

続報:ようやく治験が日本ではじまるようですね。

jinkosky.hatenablog.jp